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マジカルナンバー

「マジカルナンバー7±2」とは、1956年にジョージ・ミラーが発表した論文で、人間が一度に処理できる情報は7程度(個人差により±2)が限界、と示したものです。その後、2001年にはネルソン・コーワンが「短期記憶におけるマジカルナンバー4」という論文を発表し4±1が短期記憶の容量であると示しました。要するに人間の情報処理の能力は4~7ぐらいである、ということのようです。

そうすると、武術の形では、敵の攻撃があって、足捌、手捌これも右手(ひじ・手首・指)左手・・・と軽く情報処理能力の上限である7を超えてしまいます。こうなると、初心者でなくとも頭のコンピュータはフリーズしてしまいます。
そこで、捌きを自動化して、頭を使わないようにする必要があるのです。
形の反復練習によって自動化しテンプレート(ひな形、きまった形)を作る、この部分が多いほど、その後の捌きに頭を使え、突発的な事態にも対応できるようになるのだと思います。

本来、相手(敵)からの情報、場所・時間その他の情報は多いほど、有利な立場に立てるハズですが、マジカルナンバーの理論からすると、これらすべてを処理することは難しいのです。ここでもやはり、口伝や各種の教えを活用し、できるだけ頭の自動化処理に委ね、余裕の部分でその場の対応をする必要があると思います。
このような理論からも形稽古の重要性があらためて認識できると思います。

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