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武芸十八般(上)

武芸十八般(武芸十八番・武芸十八事)とは、日本や中国で、武人に必要とされた一八種の武芸のことを言います。

武芸十八般は、元々中国明代のころの武器により分類されたもので15世紀頃にまとめられた「水滸伝」が初見といわれています。その後、17世紀の初めに「三才図会」という中国明代の図解百科事典及び謝肇淛の随筆集「五雑組(ござつそ)」にも、内容の多少の違いはあるが同じ名目のものが解説されています。
さて、日本では、1658(万治元年)年に「群書拾唾(ぐんしょしゅうだ)」が出され、1661(寛文元年)年には「五雑組」が刊行されて、武芸十八事(般)が知られるようになりました。

武芸十八事

そこで、これによって元禄年間には、貝原益軒が「和漢名数大全続編」を編集し、この中で次のとおり武芸十四事を発表しています。
1射(ゆみい)、  2鳥銃(てっぽう)、  3撃剣(げっけん)(手裏剣)、4棒、
5刀、6捕縛(ほばく)、7拳(やわら)、8騎(うまのり)、9抜刀(いあい)、 10眉尖刀(びせんとう)(長刀(なぎなた))、 11鎌(かま)、 12槍、
13発碽(いしびや)(石火矢=大砲)、14火箭(ひや)(火矢=発火用の矢)
その後、益軒は「武訓」 中では、13発碽、14火箭を13騎射(やぶさめ)(流鏑馬)、14水練に改訂しています。

なお、鶴山先生は、「この分類では、3撃剣、5刀及び9抜刀は剣術として、6捕縛と7拳は柔術として、8騎と 13騎射は馬術としてまとめられることから、実質14-7=7事となる。」とメモしています。(続く)

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