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合気難民(上)

良い先生、道場(教室)に巡り会えなくて、いろいろな所に行く人たちを「合気難民」というのだそうです。難民というのが今時の表現なのでしょう。
「合気難民」とは、○○合気道、□□流△△などの会員、門下生であって、
術理や稽古内容について自分の疑問点を聞くなどすることで空気を読めないと思われている者、また会員、同門の者からいじめシカト等を受ける恐れがあるため、すぐにそこを離れざるを得ないと思う者で、どこかに属して稽古したい気持ちはあるが帰属先が定まらない者、という方々を指すのでしょう。
昔(昭和以前)は、こういう人を「はぐれ者」「流れ者」と呼んでいました。今の「合気難民」とは、若干ニュアンスが異なる部分がありますが、共通しているところもあります。ここでいう、「はぐれ者」とは、主に技を盗むため、いろいろな道場に参加しては離れる人のことをいいました。鶴山先生もこういった者をスパイといって警戒していました。
武術は技を見られれば、その術理など見抜かれてしまう恐れがあるので、昔から秘密主義で通して来ました。門人となり、人格的にも信頼がおける者だけにその秘密を伝授してきたのです。このような伝承形式にも、当然メリットとデメリットがあります。デメリットとしては、じり貧・先細りになっていく可能性が高いということでしょう。貴重なノウハウが失伝していくということです。

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