見出し画像

大東流の三大技法(続)22

返技は合気柔術の中伝・奥伝技法に相当しますが、返技自体も序破急(中伝・奥伝・秘伝)と分けられています。
一般に、中伝の返技の奥伝技法などと説明しますから、その構成を知らなければ???(何を言っているんだ)となるわけです。

返技「序」とは、「先」をとる技量同士の稽古法で返技を学び、これを切る裏技を教えます。

返技「破」とは、「先の先」をとる技量同士の稽古法で連続多段返を学び、これを切る技法を教えます。

返技「急」とは、返技予防法で御信用之手でもあります。また、ここから掛手の展開が始まります。

返技の修練では、基本技のすべてについて複数の返技を学びます。これを知ってしまうと、基本技の稽古がなおざりになりがちです。留意すべきことです。
返技の最後は「返技5ヵ条之事」という秘技でまとめられています。すなわち、一段返しから四段返しまでの代表技法を示し、別途四方投の展開を教えて終了となります。
合気柔術技法には、柔道の乱取りのような稽古法はありませんから、返技の修練を通じて、「先」の読み愛、駆け引き、裏技の取り方、当身の効用等を学ぶのです。初伝技法だけでは初伝技法を完全にマスターすることは出来ないのです。これも大東流構成者たちの智恵です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?