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日本経済新聞「春秋」に取り上げられた合気道22

前回の記事で、合気道と合気柔術の違いを紹介しましたが、江戸柳生系合気柔術の初伝技法の一部を合気道としているわけですから、その違いといっても多くはないのです。ただ、筆者の印象では、合気道諸会派において、制圧動作・技の有効性を追求すれば合気柔術的な技法に近づくし、華麗な?動きを強調すればより「武道ではない何か」に近づくのでは、と感じています。

大東流合気柔術における考え方は明確です。攻撃に対し、体捌があり、続け制御動作がある、この制御動作について抵抗されたり、自分が失敗したりする、これにどう対応するか、一連の流れの中で形を通じて教えているのです。

そして「それに応じて技をかける」とあります。
“応じて技” がポイントです。これは何か特定の技ということではありません。その場に応じた最も自然な・適切な技という意味です。盛平翁が語ったとされる「動けば技になる」という境地です。動いた後、どうすればよいのかが判っていないと技は出せません。そのために一般技や基礎技を稽古するのです、これらの一部を使えることが出来れば、言い換えれば動作を省略した動きが出来れば“応じて技”が繰り出せるということでしょう。ただ相手を制圧(固め技)すればよいのか、相手を盾(投げ技)に使う必要があるのか、脱出経路をどう確保すればいいのか、様々な状況に“応じて技”が求められるからです。

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