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応急処置法17

血止め法
一般の稽古では、出血の怪我は見られないが、演武会等で真剣を使い、緊張のため誤って怪我をすることがある。この血止めのやり方は、交通事故等あらゆる場合に応用できるので、不慮の事故の際、先輩として覚えておいた方がよい。

出血が軽い場合は、傷口を消毒してそのまま患部に包帯をするだけで止まる場合もあるが、出血が大量でひどいときは、図のように、必要な個所に止血法を施さなければならない。

まず、傷口や心臓に近い部分の動脈のツボを図にしたがって、指や手のひらで押さえる。

次に、傷口から3~4cm離れた心臓に近い部分止血帯(手ぬぐいかネクタイなど)で強くしばる。ただし、この止血帯の使用は、出血が多量で、医師が来るまで放っておくと、人命に関わるという場合に限りやるべきで、原則的には止血帯の使用は禁ずるべきである。止血帯をする場合の注意すべきことをあげると、

頸動脈は、5分も押さえ続けると、意識がもうろうとなり、脳がダメになる恐れがあるので注意のこと。

たいした出血でもないのに、細いヒモ等で、きつく縛り続けた状態でおくと、壊疽(えそ=肉体の一部の組織が死ぬ)を起こし、後で切断しなくてはならなくなる場合もあるから注意すること。

出血すると体温が下がるので、身体を暖め、傷口の部分はできるだけ高いところに持ち上げて置くようにする。

骨折・ねんざ等の疑いがあれば、怪我の部分を動かさないように、その部分の両側の関節を含めて副え木をあて包帯をする。(『図解コーチ合気道』179~181頁)



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