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武道の極意・秘伝集12

3剣術にて静座する時に、左足を踏み坐ることは、はなはだ悪しきことなり。進退の自由ならずして、器用の働きは成らぬものなり。もし、か様の人あらば試し見るべし。極めて不器用のものなり。これをしもくの足といって、最も嫌う足踏みなり。もし門人中にこの癖あらば、早く教諭すべし。この足踏み癖つきては容易に直らぬものなり。初心の内に少しも早く直すを良しとす。

補足説明:座法は、いろいろありますが、正座は基本の一つです。この際、両足の親指は接するか、ほんの少し重ねてもよい、とされています。土踏まずの上に片方の足を重ねるなどしてはいけません。
江戸柳生系合気柔術では、殿中の躾け教育用に「正しい正座法」と「その正座を崩す法」を指導します。背筋を伸し、あごを引き、両手は腰に置きます。この状態で手を引かれても「正しい正座法」であれば崩れませません。次に「その正座を崩す法」として裏拳目潰し当身を教えるのです。これに続け第1か条押さえに入りますが、ここで跪坐(きざ=つま先を立てた正座)の練習をします。袴で足下を隠すと正座か跪坐かの見分けが出来ないのです。来客時にこちらが座して対応する場合などに、即応するための必須項目です。なお、柔術では最初から跪坐です。こちらは下級武士・従者の座法という意味合いです。

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