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大東流柔術講習会6

大東流柔術は、居捕・立合・半座半立・後捕の4系統で整理されています。これに1か条から5か条までの5本の線が交わり9本の線でまとめる、これは密教の教えである。108本とは煩悩の数にかけており、108種類の痛みを知るのだ、と鶴山先生は語りました。なお、柔術は本来108本でしたが、武田惣角が10本増補して118本になり、現在に伝わっています。
大東流柔術は格闘技術を形として様式化していますが、単に格闘法の稽古にとどまらず、この中には合戦マナー・殿中作法などの武家作法を内包しています。形稽古により、胆力・気力を錬り、また内蔵強化を図ることができるだけでなく、己を磨き武士としての人間完成をめざす、これが大東流柔術のコンセプトなのです。
 
講習会は概要説明に続き、実技に入ります。
居捕1本目一本捕です。江戸柳生系合気柔術(合気道技法)の1か条に相当する腕抑えの技ですが、これとは全く違います。合気道技法のような流しは一切なく、一手一手極めて楷書的に捌きます。この一手一手の中に日本柔術の極意が盛り込まれています。このことを理解せず、形の動作を反復練習しても意味はありません。なぜ、居捕で・・・、受け方は・・・、掴み方は・・・、相手のどこを攻める・・・、捌きの方向は・・・課題は盛りだくさんです。

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