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大東流柔術の秘密

大東流柔術は、大東流柔術秘伝目録と伝書に書かれているとおり柔術全体が最初から秘伝になっています。

これは、一般的な武術の体系からするとおかしいのです。
普通は簡単な技から段々難しくなるよう階層的に整理されているはずなのですが、大東流柔術はそのようになっていません。ここに大東流柔術が作られた秘密があります。

この「秘密」は、久琢磨からの皆伝の口伝で明らかになります。
大東流は公武合体後の管理者武道として構築されたもので、江戸時代の世襲制を前提に3大技法(柔術・合気柔術・合気之術)別にその対象者、又習える範囲等が厳格に決められていました。
さて、柔術全体が最初から秘伝になっているのはなぜか、
大東流柔術の1か条及び2か条の60本が諸流派柔術の秘伝技を集約再構成させた技であるからです。これら60本は大東流柔術全体からみると中伝に位置付けられています。では、初伝は何かというと、大東流としては稽古しませんが、諸流派柔術の初伝から奥伝までを言います。
秘伝奥義ばかりを集めても体系的なものにはなりませんから、大東流柔術はそのほとんどが平板な技の羅列になっています。
では、習う対象者とその範囲はどうなっているかというと、
例えば、足軽等200石までの柔術対象クラスの者は、基本中伝までの教伝で終了する。また、家老の息子、若殿様等は、戦の際、第一線に出陣しないので、柔術の過程は省略して武芸に興味が持てる第3か条から始める、などです。

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さて、大東流柔術を稽古する現代的意義ですが、それは、上述のとおり、「諸流派柔術の秘伝技を集約再構成させた技」にあります。なぜこの技(捌き方)が秘伝なのか、どんな秘密があるのか、これを詳らかにすることで、日本柔術の素晴らしさを実感できると思っています。

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