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技法真髄5

2横面
手刀をもって敵の横面もしくは敵を斜めに肩口より切り下す気持ちで打つ。相手は敵の出様を知って敵の気を誘いつつ左足を軽く引き敵の気を抜きその機を逸せずして、陰陽(水火)をもって攻めたてる気で敵の右(或いは左)の手首を左手前に引き掴み、右手を持ち添えて左足を大きく踏み込み右に転じつつ陰陽の息で敵を右前に投げる。丁度敵の先鋒と我が先鋒と衝突して敵の主力は我が左翼に回り前と左前より攻めたてられる戦況の際にこの術を行う。故に丁度剣をもって前から左に切り払い同時に自分の精鋭をもって今や我が右翼を脅威せんとする敵に向って、進んで敵の中堅を突き我が右翼を脅威せんとする勢を殲滅する。かかる兵法の下にこの横面動作が毎日畳の上で行われるのである。つまり敵と自分との出会い頭の兵法であり、行軍中の兵法である。そこで上中下三段に分かれての兵法と口伝があるが、これは稽古に際し伝うべし。

剣法(小さく目先のこと)で言えば、左足を引きながら八相に振りかぶって切り下ろす際、その水月の理をよく考えてその剣を使えないように、真っ正面に切り込む。また剣法として八相から左に引くところの左に切り下ろす切り方を習い、同時に左足を踏みつつ右に切り上げるところの剣法を習い、また同時に体を転じて後の敵を切り払う。この四つの剣法を習うために横面打の技が定められた。(2横面の項 終り)

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