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大東流の口伝20

朝顔とは掌の力をどのように活用するのか、という純粋技術論なのです。
握ってはいけない、力の方向を意識する・・・、そしてそれを維持する。
理屈は分かったとしても、慣れるまでは、難しい技術です。

そして、朝顔の術理が分かると、指の形を変えたり、親指だけ封じてみたり、全指をなくしてみたり・・・しても同様の効果を発揮させることが出来るのです。連載14の万力手、手刀、鉄鎚、ぐい飲み、釣鐘、猫之手(ハード・ソフト)、幽霊手のことです。

なお、皆さんご存知の4ヵ条、痛いですが鍛えて慣れれば耐えられますね。実は、4ヵ条技法は朝顔(第3の力)を応用した代表技法の一つなのです、無痛で効かせることができます。大東流の決めポーズ「陰陽の残身」にも使われています、惣角の有名な写真があります。

俗にいう、手の裡(うち)の秘密はここにあります。分かっていない人は、「手の裡は奥が深いから・・・」などと説明から逃げるかも知れませんが、非常に明快な技術です。
 
また、朝顔は『「どのように通力」を集中的に、かつ、象徴的に教える口伝なのです。』と既述しました。この意味は、掌と同じように第2方向の力、第3方向の力を同時に発生させられる部位であればどこでも使える技術だ、ということです。例えば、肩関節回り、骨盤底筋群などが分かり(意識し)やすいと思います。また、得物を介しても同じです、新陰流兵法の執刀法、杖、懐剣、鉄扇の各術などです。このことが分かると、ちょっと大げさな表現ですが、技の概念が変わり、違う世界が現われます。

大東流の筆頭口伝「朝顔之事」恐るべし、です。

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