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共働作業

チームで共働作業をすると、メンバーは無意識のうちに手を抜いて、結果パフォーマンスが下がってしまうことがあります。
このことを「社会的手抜き」や「リンゲルマン効果」というそうです。
これはヒトが集団になると起きる心理現象だそうですが、よく似たことが単独行動のときでも体の中で起きます。

両手を使って捌くとき、片手の力×2、という効果が出せないのです。
例えば、相手の腕を回したり、押さえたりする場合に、片手で捌くとすんなりできるのに、両手で捌こうとすると存外に苦労する。
この原因は、軸の意識がないことからどこを基準に力を通して行けばいいかがわからないため、頭は両手の力をセーブしてコントロールしようとするからではないか、と思っています。
ではどうすればよいか、軸を意識して、片手ずつ使うのです。なーんだ、そんなこと、という感じですが、これがなかなか難しいのです。特に力の強い人など、片手の力×2×0.6ぐらいでも技ができたりすると、上記の感覚をスルーしてしまいます。片手の力×2でないと対応できない場面に遭遇しない限り気づけないのです。力が強い人にとってそんな相手は滅多にいませんから、分からず終いになるという方も多いと思います。

「相手の腕を回す」を例として具体的にお話しすると、まず軸、相手の尺骨を軸とするのか、トウ骨を軸とするのか決めます。次に片手ずつとは、左手を軸に触れ固定し、右手で回転させる→右手で軸に触れて固定し、左手で回転させる→これを滑らかに繰り返す、というやり方です。両手でものを運ぶとか、両手のコントロールに熟達した動きならこんな苦労はしなくて済むのですが…
手の使い方に意識を持っていく、武術ならではのアプローチかと思います。


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