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合気投の口伝

合気投の基礎技法とその意義に関する鶴山先生のメモです。
一本目は、片手取に対し相手と同じ方向を向き前方に投げる、という技ですが、これが難しいのです。古流では多くの流儀で最初の形に極意が含まれていますから、難しくて当然なのですが・・・  
この合気投の形には、陰の合気・陽の合気の使い分け、入身・転身法、基軸など、術理が満載されています。これらを駆使しないと技の完成には至らないのですが、入門技法ですから、実際は稽古の中で様々な術理を体感し練っていくということでしょう。おそらく、上級者になって始めて出来るようになる技の一つです。

合気投の基礎技法に片手取合気投がある。
敵 右手:我の左手首を掴む
我 左足:敵の右足の横に進め
  右足:時計回りに180度回転させ、敵に並ぶ 同時に
  左手:時計回りに回し敵の右手首に掛け、親指を自分の目の高さに上げ
                  手刀とし、胸の高さまで斬り下げる(投げる)
これは大東流の小太刀の操法である。片手の親指を目の高さまで上げた姿勢は、前後に押されても動かない安定したものである。これより上に手刀を上げてしまうと後方に弱くなり、斬った場合も胸より下まで手刀を下げると前方に体が動いてしまうのである。上体を曲げずに相手を投げるのである。
上級武士の技であるから、動きの中でも安定した姿勢を保つ必要がある。位の問題もあるが、騎馬操法にも欠かせない技術である。この片手取合気投は左右稽古する。左右行うのは合気二刀剣の鍛錬であり、かつ、秘伝技となっている。また、鉄扇術の操法でもある。
この合気投は全8本の構成となっており、合気道技法にはその一部しかない。この先の展開は、
2両手持合気投 前方投
3二人取片手持 後方投
4二人取片手持 前方投(両者をぶつける)
5二人取片手持 異方投(前方投から方向転換し後方投)
6二人取両手持 四方投(二人重ね)
7二人取両手持 側面入身投
8二人取両手持 掴み返し入身投   となっている。

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