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日本伝合気柔術 技法稽古に入る初学者のための基礎知識3

武士(大名及び上級武士)の心得
脱出術及び緊急時の対応技術を習得しておくこと。
例えば、
入浴中や就寝中に襲われるなど帯刀していない、手元に太刀がない場合
奥女中の懐剣攻撃・茶坊主の組みつき・同僚、友人、知人等の突然の攻撃など抜刀する余裕がない、抜刀出来ない場合
このような、事態に遭遇した場合、直ちに攻撃を避け、敵の間合から離れ不利な状況を打開する必要がある。そのために、素手対武器(太刀・小太刀・懐剣その他の利器)・素手対素手の徒手体術を習得しておかなければならない。一端、間合を放ち太刀その他の利器で対応できる、或いは部下や味方が駆けつけるまでの間、自力(素手)で対応しなければならないからである。
この脱出術等を「武士の表芸(剣術)」に対し「武士の裏芸(体術)」という。いずれも上級武士の必須の心得である。
 
老年武士の心得
老年(中高年)武士は体力が落ち、外出時には大小帯刀の他、杖(つえ)が必要な状況になる。こういった状況で、襲撃を受けた場合、直ちに抜刀して応ずるのは難しく、携行している杖で対応せざるを得ない。このための心得が杖術である。杖対太刀に代表される操杖法とその基礎となる徒手体術を習得する必要があるのである。

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