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柳生流柔術1

鶴山先生は「大東流考」とする大柱のもと、いろいろな論考や講義メモを残していますが、今回は、サブタイトル-柳生流柔術-を紹介します。 

公武合体のために編成され、後に大東流合気柔術として知られるようになった「柳生流柔術」の解明
大東流3大技法の中には刀法は入っていない。もし、大東流剣術を名乗る
   者がいれば、それはニセモノである。
大東流は表芸(陽)に対する裏芸(陰)との位置づけである。
 表芸とは、将軍・大名クラスなら新陰流兵法、その他は小野派一刀流とな
 る。公武合体の視点からすると、各藩の古流剣術を表芸とする。 

江戸柳生系合気柔術の初伝技法の意義
位取りを学ぶため体術で鍛錬する。新陰流の勢法の理合を学ぶことが柳生流柔術の目的である。

 基本技の基礎動作
非力(ひりょく)の養成である。これも手解きの一つであり表裏がある。
養神館流では、臂力の養成と書いて、定義や目的を次のように説明している。
「臂力の養成とは、呼吸力をつけるための基本の訓練法のこと。呼吸力とは、合気道独特の、あるいは武芸独特の目に見えない力(気力)である。(中略)手足、体(腰・肩)の力が分散したり不均衡になっては、十分な力は発揮できない。それらの力を一線にのせ、一点に集中し、その上に充実した気力が加わってはじめて卓抜した力となる。その訓練が臂力の養成である。」(寺田精之(きよゆき)著「図解合気道入門」より)

この養神館流の苦しい説明が、あの独特の「臂力の養成」の動きを産み育てたのであろう。

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