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大東流の三大技法2

地之巻=柔術
第1~4ヶ条まで合計108本で、居捕・立合・半座半立・後捕から構成される。
 第1ヶ条 30本
 第2ヶ条 30本
 第3ヶ条 30本
 第4ヶ条 18本 居捕・立合・半座半立・後捕

柔術が地の巻に分類されるのは、この体系は200~500石までのクラスの
 武士が習得する技法であった。下級武士(200石まで)とは、一般のサム
 ライである。世間周知の剣術が基本技とされる階級である。

この4か条までの技法に10本の技を加え、これを5ヶ条とし、これが柔術
 師範の資格であった。

柔術すなわち第1~2か条60本は、気合鍛錬法で筋肉、関節、精神力を
 鍛錬することを目的とする。

地の巻柔術は、古流柔術の体系とは分類が違っている。つまり初伝、
 中伝、奥伝、秘伝という四分類ではない。すなわち、この柔術は「秘伝大
 東流柔術」と呼ばれるものなのである。最初から「秘伝」としているのは、
 第1~2か条60本のすべてが伝統古流柔術の秘伝技を集約させたものであ
 るからである。しかも、この60本は大東流柔術の全体系から見れば秘伝で
 はなく中伝技法なのである。初伝とは、諸流派柔術の初伝、中伝、奥伝ま
 でをいっている。なお、これを秘すために第1か条を初伝と呼ぶこともあ
 る。この場合、第2か条が中伝、以下は同じである。

第3か条30本は奥伝技、第4か条18本が秘伝に当たり、仕上げの第5か条
 10本が皆伝技となる。だから、大東流の構成上、地之巻柔術しか知らなく
 ても、(柔術の)皆伝者といえるのである。武田時宗氏などがこの例に当
 たるが、ここに大東流関係者の誤解がある。元々の構成からすると、大東
 流では皆伝者が3人となるのである。

大東流の三大技法1の鶴山先生直筆原稿の一部


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