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武道の極意・秘伝集8

「力の集中」武田流合気術より
指を開き、指先に力を集中して、指先から体内の力を流し出してしまうようにする。すると途中を流れる力によって腕が棒のように固くなるのである。腹にも脚にも力を入れず、ただ指先にだけ念力を集中する。武田流合気術においては念力の集中は、両手でなく右か左かどちらかへ力を集中するのである。力の集中法は、指先ばかりでなく、相手の攻撃してくるところにも集中する。相手が腰を蹴ってきたとすると、相手は蹴ったとたんに、跳ね返されてしまうのである。電信柱を人間と仮定して蹴った場合、こちらが跳ね返されるのと同様の理である。

補足説明:武田流とは、甲斐武田家から、今川義元の庇護を経て九州黒田家の食客となり、同地に伝えられた秘法とされています。戦後、第四十三世大庭一翁が伝統の秘術を一般公開しました。
冒頭の説明は、心身統一合氣道の「折れない腕」の説明に似ています。
この部分、大東流技法では、朝顔を用います。この「指を開き、指先に力を集中して」というのは、存外難しいのです。この技術の根幹は指にあるのではありませんが、指を意識した方が理解し易いからこのような表現になるのです。また、体の特定部分に力を入れる(抜く)ということも、日常使いとは違うものですから難しい。そして、力を集中させ相手に通すことはさらに難しい、適切・的確な指導を受けないと中々、実感できず体得し難いものです。

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