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茶道と武道(上)

「茶道は実践的平和哲学である。それは、神仏への献茶の余抹を人に施し、自分も相伴する。つまり、神、人、我という秩序である。この秩序を厳守することによって、そこは人々の争いのない平和な楽しみを人間相互に自然と享受することができる。茶道は、世界に比類を見ない日本独自の芸道の一種であり、日常茶飯の生活に根ざした生活文化の規範といえる。」桑田忠親(国学院大学名誉教授)の言葉です。
茶道は密室による「コミュニケーションの場」という実利のほか、姿勢・位置・間が大事とされているとのことで、武道と相通ずる所も多いことから、武家茶道として昔から武道と親和性の高い芸道だったのでしょう。今回は、茶道と武道に関する鶴山先生のメモです。

武道と関係する芸事は多い、特に「禅思想と芸事の関係」このことが背景にあるものと思う。茶道は「書道、歌道、連歌道、能楽道、華道などと同様に、日本の伝統的な芸道の一つである。」この道を修行するためには、昔は出家するか、隠者になるかのどちらかであったといわれている。書道の極意を窮めた最澄(伝教大師)や空海(弘法大師)などが出家であったことがこの流行を生んだものであろう。そのため、歌道の極意を悟った西行や、連歌の名人であった心敬、宗祇(そうぎ)などは皆法師であった。

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