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大東流合気杖4

合気杖の技法構成は次のとおりです。
皆伝書における合気杖の扱いは、杖(弓折之事)口伝とあり、杖対太刀の組形で構成される初伝・中伝・秘伝及び素手対杖の奥伝、並びに別伝合気杖之事となっています。すなわち、太刀を杖で破る技法を中核技法としつつ、奥伝に素手技法を位置づけ、さらに別伝として杖に関する技法群をまとめている、というものです。

実際の稽古は、杖対太刀の組形を反復稽古しつつ、杖の単独操法を学び、杖対太刀の組形の応用動作である分割動作や二人掛かり・三人掛かり・前後形(初伝~秘伝)に進みます。一方、対杖技法として、小太刀・鉄扇・素手で杖を破る技法を教えます。

合気杖の特長として、杖対素手を重視し、杖の投技(膝行捌きを含む)を徹底稽古します。ヒトは、得物を持つと力が入り、意識するかどうかは別に平常心が保てなくなりますから、このことを実感し、対策を講じる必要があるのです。杖の掴み方・脚捌・手捌・重心の移動等課題はたくさんあります。これらをマスターして、いわゆる合気杖(合気之術)の稽古に入ります。これらの稽古により手の内を習得することで、他の得物(小太刀・懐剣・鉄扇等)も自在に扱えるようになるのです。新陰流兵法が執刀法から入るのと同じく、合気杖では杖の掴み方から始まるのです。

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