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応急処置法7

(承前)針は痛みに抜群の威力を発揮しますので、ベッドに寝かせて考えました。まず、一番痛いところに皮内針を刺入し、その次の痛いところを探って刺入し、10本ばかり入れた後、ベッドの上に立たせました。それまでこごんで抱きかかえられたのが、自力で立てる。
「あっ、楽になった。不思議」と。
そこでコーチにラケットを持って来させて、床におろして、特殊なひねりのあるバドミントンの振り方をさせる。
「あっ、痛い!」
「どこ?そこで止めて」
「このへんです。」
痛い体勢をとらせたまま探って皮内針を刺入(これがコツです)しました。
「あっ、平気です。」
「もう一度、振って」
「あっ、今度は前ほどじゃないけど、このへんが」
また、皮内針を刺入。15~6本入れて固定すると自由に動けるようになりました。
「これでいいよ。でも今日は休みなさい。」
「はい、これは付けたままでいいんですか」
「うん。副作用も何もないから心配しないでね。お風呂に入って普通に洗っていいよ、絆創膏は取れないから。そして何日かすると痒くなるから、そうしたらもう治ったという信号だから、取っていい。絆創膏をはがすと針も一緒に取れるからね。」
「はい、わかりました。」
翌日の試合で見事優勝してニコニコしてお礼に来ました。
「簡単だから習いたかったらおいで」
「ありがとうございます。」(続)

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