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合気之術の思想背景2

「戦争をするに当たっては、一個人のはかりごとを取り上げて、それを信じることをせず、まず祖先の廟に事の次第を報告し、亀卜(きぼく=亀の甲を焼き吉凶を判断する)の法を行い、その吉兆の兆に応じて日の善し悪しを考え、すべての点で良いということになって兵を挙げるのである。」戦に当たっては慎重に準備し、例え、亀卜が仕込み(やらせ)であっても、天の意向にもかなったものだと、全員を納得させる儀式なのである。これは同様の趣旨が大東流天眼術に組み込まれている。
このような配慮があるので「万民は、君主が万民の命を大切にし、その死を惜しむこと、このように慎重を極めていることを知る。こうして君主は万民と共に国の難事に臨むときは、兵は死力を尽くすことを栄誉とし、退いて生きることを恥辱とする」のである。呉子は、戦争以前の国内上下の和、相互理解と一致ということを説いている。これは大東流の多人数捕の教えの一つでもある。
「もしも為政者の行いが道にはずれ、なすことが義に適わず、ただ尊大な地位にいるだけなら、その身に必ず災難がやって来る。こういう訳で、聖人はその道でもって、民が各々その身を修めるようにさせて、民を安じさせ、その義をもって民が害を去り利につくようにさせて民を治め、その礼でもって民が事を行い、その功績を上げるようにさせて、民を活動させ、その仁でもって民がその生業を保持し、それを成就させて民をいたわるのである。」すなわち、道理にしたがって人々を安堵させ、正義によって国を治め、礼儀によって人を動かし、仁愛によって人民をいたわることが、君子が国を興隆させる秘訣である。

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