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「皇武術」に戦前植芝合気の初期の姿を証明する(上)

「皇武術」についての鶴山先生のメモです。
「皇武術」は、星哲臣が江戸柳生系合気柔術(坤之巻)初伝技法の骨格を見抜き、簡素・形式化して創始した武術です。「皇武術」は初心者には比較的簡単な動きで覚えやすく、上級者にはいろいろな点に気づがもたらされる、優れた形です。
 
皇武術の入身投・3か条を見ると、同術が戦前の合気柔術技法であることがよくわかる。
皇武術は戦前の講道館の中で盛んであったという。現在の柔道は、戦後スポーツ競技として再出発したもので関係がなくなったが、戦前は柔道も武道だったので、他流に対しての研究も盛んであった。特に「合気柔術は柔道より強い武道」という宣伝があったので、柔道高段者の間では関心が高かったようだ。
星哲臣は旧制中学の教員であった。教え子の柔道部員がある日「柔道より強い武術」を習ってきたというので、技を掛けさせたところ(3か条ではないか、と思う)どうしても勝てなかった。柔道の先生が教え子(湯川勉)に敗れてしゃくに障ったのか、直接習いに行った。
戦前の皇武会は、しかるべき保証人2名以上の推薦がなければ入門できなかったが、湯川他の推薦で昭和7年ごろ入門したようだ。星は研究熱心で知られ、柔道の観点から「敵を知り、これを破る」方法を考えたのである。具体的には・・・

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