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七重八重の口伝(下)

では、大東流合気柔術初伝の技法は植芝合気道と似ているか?ということだが、植芝の人たちはその本質が分からなかったために、その一部を発展的改良ではなく擬似的に改良継承しているのである。
大東流合気柔術では、1~5か条、四方投、入身投、小手返、天地投、回転投の10本の技すべてに返技があり、しかも二段返し、三段返しという連続技がある。なお、小野派系技法には返技という発想が組み込まれていないので、返技はない。
さて、初伝・中伝・奥伝・秘伝と区分されている江戸柳生の躰之術は、武術として見ると、初伝・中伝の一部までである。ヨガ技法や蜘蛛之巣伝は武術ではなく、殿中における健康体操である。これは小野派系柔術が目的とする肉体鍛錬法とは全く違った内容と発想なのである。
具体的技法としては(詳細は、省略します。)、終末動作からの展開、後取から手足をからませ折りたたむ展開などがある。以上「七重八重」(ななえ-やえ)という久先生からの口伝があり、数多く重ねるのである。なお、献上茶という将軍用の献上品がある。この茶箱の中に入るように固めることを「七重八重」というのである。

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