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小太刀の座捕

半座捌きについての鶴山先生のメモです。

昔の武士は座敷で相手と対するとき、その間合は畳一畳の距離を置いていた。これは互い(主人・客人)に小太刀を帯刀しているからである。もし半畳の間合で接見した場合、右足を踏み込まれ抜刀から逆袈裟に斬られる危険性がある。
ところで、武士が他家を訪問し、主人と接見するときは、玄関で太刀をその妻なり小者(従者)に預け小太刀のみ帯刀していることになる。太刀は室内に持ち込まないのが礼儀だった。(ヤクザは背中に太刀を隠して仁義を切る。)で、接見の際は畳一畳以上の距離をとり、殺意のない意思表示をして座すのが礼儀であり、武士のしきたりであった。
こういった礼儀を踏まえ半座捌きの稽古をするのである。
1座礼 このとき正面の相手の全体から眼を外さない。これは正座から攻撃する場合は、一端つま先立ちになるからである。稽古の時、最初からつま先立ちになっているのは、両者いつでも戦うという姿勢であり、この場合の座礼は相手の眼を外さないのである。
2抜刀から二の太刀 先ず逆袈裟に抜刀、この時太刀と同様に刃を下に返しておく。十分に胸を張り手首のスナップを利かせることが大事。二の太刀は、両手持ちで上段より斬る。正面打の場合は片手では力が入らないからだ。袈裟に斬るなら片手太刀のままで捌く。なお、素手で稽古する場合は、抜刀動作を省略して最初から二の太刀の攻撃から始まっているのだ。

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