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大東流の三大技法6

合気之術は、これをよく知らない者は合気術と混同しているが、全く性格の違うものである。藩主が成人してから養子として来た場合は、合気柔術の初伝柳生流柔術はやらない。生家の藩でそれなりに殿様教育を受けているので、それを教育し直すことはその藩に対し失礼に当たるからである。そこで、それ以上のもので、なおかつ、柔術・合気柔術の技法のすべてが含まれる「合気之術」から始めるのである。この場合、勢法合気躰動法が必要になるのである。

同じ意味で、成人した若殿の場合は、合気柔術についても中伝乾坤の巻から始める。乾坤の区別はそのためにある。つまり管理者に必要な技法(思考法)として、当該若殿が知っている技の先の技を教えるのである。 

「僕は、武田惣角先生と同じ方法で鶴山君にこれを伝える。武田先生からは記録等残さずに、とは言われなかったが、別に時宗氏に伝えてくれとは頼まれなかった。」 

以上が皆伝の時の久琢磨の解説であった。保科近悳から武田惣角が口伝で伝承され、惣角から久琢磨に全く同じ方法で口伝された。今回、惣角が久琢磨に口伝したのと同じ方法で、久先生から鶴山晃瑞が口伝されたのである。

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