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極意秘伝のはなし2

武道修行の第一段は、丁度赤ん坊が、はいはいからアンヨは上手となり、ヨチヨチと一歩一歩危なげな足取りで歩き出し、成長するにしたがって、無意識の中に活発な歩行となり、次第次第に手足を自由自在の動作に変化させ、それと共に顔面の造作まで変化させるように成長発展いたしますが、これを現代医学で申しますと、求心性伝導路(上行性の経路)、遠心性伝導路(下行性の経路)、反射路(反射運動)の発達によるものであります。

このように神経発達の鋭敏な動作を以心伝心、すなわち、相手の姿勢動作の発始即直前に自分の構えができることを、武道では「先の先」と申しておりますが、この反射運動をもう少し詳しく述べますと、脊髄神経の知覚線維は脊髄の中に入って(後根を経て)、その本幹は延髄に向って(後索の中を)上行し、さらに大脳皮質に達していますが、その経過中に脊髄の中で、多数の側副枝を出して運動性伝導路に連絡し、大脳皮質を通らないで「知覚-中枢-運動」となるものを反射運動といって、大脳皮質が全く関与しない運動のことであります。

次に「武家の商法」「武士は食わねど高楊枝」ということがよく言われますが。昔の武士は蓄財を極度に戒め、清貧に身を置いて、専ら武芸の道に励む者を聖者としたようで、成程、古豪・聖・賢の武道家は世人にはとても耐えがたい苦行と努力に、一生を捧げて天下一の技を編み出していたようであります。

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