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極意秘伝のはなし41

以上が、「小栗流和摭(せき)語録」です。当初、中山先生が引用した部分のみ紹介するつもりでしたが、引用元を確認すると、我々武術修行者にとって、学ぶべき内容がたくさんあることから、図らずも全文を紹介することになりました。

この語録では、おおよそ「人は万物の一つであるから、万物における柔弱・剛強・遅速・転変の理合に従う。このことを柔の技の修練を通じて体得する。武術は、外観から見ると、技・為形(しかた)、所作(動作)で敵を制しているように見えるが、まず、心で勝ちを制することが大事。それには心身一体の動き風和を目指すべきである。」と述べています。武術の稽古を通じて何を習得すべきなのか、示唆に富んだ指摘です。

なお、この先、小栗流三箇之大事という口伝があり、小栗流和摭語録の二十五箇條はいくらでも教えてよいが、この口伝は心技両面において信頼できる弟子12人までしか伝えてはいけないとあります。実子であっても、心のゆかざる者には教えない、自分と心の合わない者は弟子に取らない、弟子は実子と同じである、とあります。三箇條とは、手離剣・盲目虵(じゃ=へび)・十二気です。

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