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長寿術(上)

和道流空手の創始者、大塚博紀(1892~1982年)先生の長寿の秘訣に関する鶴山先生のメモです。活動時間帯のことはともかく、規則正しい生活リズム、体を固まらせないこと、リラックスすること、生きがいをもつことが大事とされています。

辰(たつ)年の大塚博紀先生は90歳で亡くなった。先生は85歳で演武大会に出場し、海外にも出かけている。上野の広徳寺で日本古武道協会(昭和54(1979)年設立)の打ち合わせを連日やっていた。これは、昭和44(1969)年の電電東京体育館における諸流派演武大会への参加がきっかけであった。翌45年にかけて毎週広徳寺に集まった。リーダーは大塚先生(当時78歳)と大坪先生(当時61歳)である。この時、あの元気、この元気、7時に集合して9、10時まで会合は続いた。どうしてこんなに元気でいられるのか、不可思議に思って、大塚先生に聴いたことを思い出した。
大塚先生は「午前中は誰にも会わない。」そうだ。演武大会などで全国から呼ばれるが、旅館に入ると翌日の午後でなければ、誰にも会わない、というのである。つまり、先生の生活は午後から一日が始まるのである。正規の仕事を持っている人にはできない時間割であることを痛感した。我々が同じことをやらんとしても、日常生活の習慣として午前中寝ていることはできない。毎日がそうでなければならない。夜の仕事の人は、午前中が夜中であると聞く、それと同じなのであろう。

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