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応急処置法13

(承前)もっとも注意すべきことは、頭部・胸部・腹部の打撲についてである。それらに起った打撲傷では、ショックを起こすので危険だからである。打撲の手当は、患部を高くし腫れを少なくする。また、打撲を受けた直後は、出血や腫れを止めるために、冷湿布などをして冷やすことを第一にし、腫れや出血が止まったら温湿布にかえる。打撲によるショックで、患者が一時的に意識を失った場合は、次のことにまず注意する必要がある。
 1意識を失っていた時間を調べる。
 2呼吸の状態はどうであったか。そのとき静止していなかったか。
 3脈拍の状態は正常か。
以上確認の上、意識を失っていたときは、活法を施し、打撲が頭部・胸部・腹部である場合は、医者の精密検査を受けさせる必要がある。(『図解コーチ合気道』175~176頁)
 
補足説明:打撲は、ある意味たちが悪く、治りにくい怪我の一つです。完治するまで半年以上かかることも稀ではありません。筆者も指に打撲を負ったときは(稽古中のものではありません)、皮内針などにより曲げられる程度まで治療しましたが、気にならなくなるまでほぼ1年かかりました。

さて、『応急手当(湘南ER著)』では、打撲とねんざはセットで1項目に整理されています。したがって、応急手当はRICE(ライス:安静・冷却・圧迫・挙上)としています。また、湿布については、痛みをやわらげる効果(症状緩和)があるだけで、治りが早くなるわけではないと明言してあります。痛めて1週間以内の急性の痛みは冷湿布で、慢性の痛みは冷湿布か温湿布の気持ちいい方を使いましょう、とのアドバイスが記されています。

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