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大東流伝承の謎1

鶴山先生のメモの紹介です。自問自答しながら、頭の整理をされたのでしょう。
 
一般的には、大東流の流祖は新羅三郎義光とされている。これは武田惣角が発行した伝書に書かれているからである。伝書に書かれているからといって、それが本当のことである、とは限らない。誰でもわかる証拠としては・・・①大東流という名称の伝書は江戸時代以前のものは発見されていない、②明治時代のものも、明治32年以降のものであって、惣角が発行したものが始めてである。惣角は、明治31年に保科近悳(西郷頼母)から皆伝を受け、合気柔術を伝えよと訓示されている。

「伝書には“虎の巻”があった」と語ったのは、吉田幸太郎氏(大正4年教授代理、昭和31年大山倍達に合気柔術を指導)である。大正時代北見新聞(後の北海道新聞)の記者をやっていた吉田氏は、惣角に依頼されて何巻もの伝書を書いたという。同氏は字が下手なので、磨りガラスの下に電球を入れ、伝書を透かして写したそうである。この原本(虎の巻)が西郷頼母直筆のものであった。

ともかく、大東流技法の普及者は、武田惣角である。これにまつわる伝承問題を思いつくまま幾つか挙げてみたい。

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