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新陰流兵法目録事4

補足説明:流祖上泉伊勢守は永禄9(1566)年柳生石舟斎宗厳に影目録4巻を相伝しました。
 「燕飛」 「七太刀」 「参学」 「九箇」です。
この4巻の中軸は、陰流の「猿飛」を改変した「燕飛六箇之太刀」と神刀(道)流の太刀である「七太刀」です。三学円之太刀は、「燕飛六箇之太刀」と「七太刀」からその奇妙を抽出し作られた勢法です。
次に、尾張柳生家における三学円之太刀の変遷に触れておきます。

創始者 上泉伊勢守 及び 第二世 柳生石舟斎宗厳 
    介者剣法としての三学円之太刀(本伝)

第三世 柳生兵庫助利厳
  直立(つたっ)たる身の位による三学円之太刀(下から使い・内伝Ⅰ)

第五世 柳生連也斎厳包
   動作を分割し、雷刀に取り上げて使う三学円之太刀(取り上げ使い) 

第十一世 柳生道機斎厳春
   一打三足の歩法による三学円之太刀(下から使い・内伝Ⅱ)

なお、(かっこ)内、本伝・内伝の区分は、新陰流兵法転会宗主渡辺忠成先生によるものです。また、先生は口伝のみの伝承となっていた本伝を復元されました。
連也斎厳包(としかね)の「取り上げ使い」と、道機斎厳春(としはる)の「下から使い」はいずれも初学者のための勢法で、江戸時代にしてこのようなものが必要であった、ということがわかります。

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