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技法真髄1

「技法真髄」とは、1933年(昭和8年)に植芝守高名義で書かれた盛平初の著書『武道練習』中の項目の一つで、後に久琢磨が昭和15年に発行した
『惟神(かんながら)の武道 門外不出 大東流合氣武道秘傳(非売品)』の中で「技法神髄(植芝先生伝書中より抜粋)」として引用されています。
今回から、技法真髄(神髄も同義)について、補足説明を付して紹介します。なお、読みやすさに配慮して漢字や句読点等、原文とは異なる部分があります。
 
立技
1正面
右或いは左手にて打込の事
手刀(或いは拳)をもって敵を打つ術、天地の息と自分の息とは同じものであるハズだから、動作も陰陽合致の業(わざ)を手刀に及ぼして打ち込む。かく打込んで来る敵に向っては、いつも自分の心に敵を包むような雄大な気持ちで対すれば、敵の動作を見抜くことが出来る。そのところで、それに合わして或いは右、或いは左に体をかわすことも出来る。また敵を自分の心に抱き込んだら、自分が天地より受けたところの道に敵を導くことが出来る。(例えば、打たすべく見せて、それにしたがって敵に打込ませ左或いは右に避けて敵を倒すことが出来る。)生死の境を超越しいかなる事に臨んでも、九分九厘敵の圧迫を受けて死地に入っても、明らかに道を求めることが出来る。これらの事を心に置いて鍛錬しなければならぬ。(続)
 
補足説明:(例えば・・・出来る。)は久琢磨がカットした部分です。
攻撃を行う場合は、全身の気力を、この項の場合なら手刀(拳)に集中して行うことが大事です。攻撃を受ける側も、同じく全身の気力・体力を集中してこれを捌かなければなりません。すなわち、攻撃という外からの気力を減衰又は無力化する技術を総称して広義の「合気」といいます。そして「合気」を行うための動作を「合気捌」といいます。

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