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合気柔術と柔術の区分(上)

二系統ある合気柔術と柔術の特徴に関する鶴山先生のメモです。柔術は別として、二系統の合気柔術は見た目では、ほぼ区別がつきません。技だけをやっていると、混同してしまうと思います。柔術及びこれを簡易化した合気柔術と江戸柳生系合気柔術は、これまでのnote既述のとおり、思想的背景や構成が全く異なる技法になっています。こういったことを理解した上で、稽古に臨めばより楽しいものとなると信じています。 

柔術の基本技法は2ヶ条までの60本、3か条以降は応用技というか素肌武術の奥儀となっている。柔術の基本理念は小野派一刀流の剣法である。これを象徴する技法が多人数捕で、柔術118本には入っていないが八方分身の考え方に代表される。この点、他の古流柔術、例えば関口流などとは理念の使い方が異なる。関口流の技の中には、竹内流の技を破る技法がある。しかし、大東流柔術にはこのような発想がない。重要な術理をもらさず技として再構成することに目的があったからで、具体的な仮想敵は想定していない。柔術における多人数捕は旦那芸としての位置づけである。旦那芸であるから極意のエッセンスとも言える。したがって、実は、大東流3大技法の各部分と関係がある。演武用というか長者の術というかはともかく、アトラクション的に用いるもので、デモンストレーションに用いるものではない。

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