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極意秘伝のはなし13

古流楊心神道流経絡之巻(上)

松風の殺(首の右側=天鼎てんてい=ツボ)は喉の当身にして陽の位なり、この経は気の往来するところの道路なり。人間の上焦(呼吸機能)に咽喉に左右に分かれて二つの管あり、一つは水穀の道路で、その一つは息管というものあり、1尺2寸9節あって、肺の臓に系統してあるものなり。この裏手に律(十二律=音)備わり、人間の韻声はこの肺より出でるなり。味は辛を好み、活法は大腸を摩回いたす(さすること数回)。諸経の当身、これをもって知るべし。口伝あり。

村雨の殺(首の左側=天鼎てんてい=ツボ)は、喉の当身、陰なり。下は胃に通系して水穀の道路なり。飲食すべて胃に納む。胃腑は脾(*)の下にしたがって位しているなり。水穀の納まるところ、上脘(じょうかん)という。へその上5寸、水穀消化の地、胃の正中脘という。へその上4寸、飲食腐熟して小腸に伝う、幽門という。へその上2寸、下脘という。小腸の上口なり。活法は脾のところをさすること数回して補えば覚醒する。惣じて殺はこの意をもって知るべし。余はこれに準ず。
*脾とは、六臓の一つで「胃」と共に、消化吸収に関する働きを担っていると考えられている器官

電の殺は、胆の当身、日月の位に近し。胆は肝の四葉の間にかくれて、各別なるものなり。胃は水穀を入れ、小腸は受けもり、膀胱は液を受け、大腸は糟粕(不用物)を受け、五臓何も受けざるはなし。胆ばかり離れて水穀穢濁(わいだく=けがれること)を受けず。肝葉の間にいて、その精(くわ)しき天気をもって守る者なり。人間の形躰の気剛柔、すべて胆より出でざるはなし。よって分は胆の穀すことなく、この殺は連なるゆえ、稲妻(大包だいほう=ツボ)というなり。人間剛柔の気を司るところ源経なり。口伝

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