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「兵法百首」から読み解く「新陰流兵法」4

兵法も 直ぐなる事を 本とせり 思無邪と聞くも 理ぞかし
兵法も 直ぐなる事を 本とせり 曲がりはしすな 曲がりはしすな
補足説明:新陰流兵法では、動作・勢法・心法すべて「直ぐなる」ことが前提であるとの教えです。想念(思)や分別(邪)を超えて心の本当の姿を自覚せよと…、難しいことです。何も考えない自然な動きが実現できれば達人の域ということでしょう、目指したい処です。
 
三箇をば 常に忘るる 事なかれ 三見すれば 易き斬り合い
太刀先の 我方に向く 構えには 付けて打つ事 良きとこそ聞け
太刀乱れ 動くものには 斬り出でず はじめの調子 早くとるべし
太刀先の 敵の後に 向く構え 一調子にて 打つ事(わざ)ぞ良き
補足説明:三箇之大事の教えです。流祖は、太刀の構え方はいろいろあるが、整理すれば次の三つしかないと喝破し、それぞれへの勝口を教えています。
拍子ある構え(太刀先前)には、太刀先に打ち付け(どかして)、打ち込む
拍子なき構え(太刀先一定せず)には、動き(調子)に乗って打つ
身離るる構え(太刀先後)には、敵の打ち出しを見て、一調子(同機して)に打つ(合し打ち)


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