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骨法の堀辺が来た(続)11

(承前)堀辺氏が『空手と武術』で引用した私の『図解コーチ合気道』であるが、私がこの本を成美堂から出版したのは今から14年も前(昭和46年)ことであった。それまで大東流に関する出版物が皆無であっただけに、合気道と大東流の関連性や未発表であった大東流情報が武道界に大反響を与えたのである。同書のカバーの“そで”には、当時の一流の武道家であった和道流空手術の創始者である大塚博紀先生、新道夢想流杖道第25代宗家清水隆次先生の写真入り推薦の言葉、さらに序文には柳生正木坂剣禅道場師範大坪指方先生の推薦文を載せるなど合気道系の本としては初めてであり画期的なものであった。そして、この本は幾度か改訂がなされつつ毎年再版が続けられていることは、会員の皆さまもご存知のとおりであります。(昭和58年当時、鶴山先生のお話しでは累計20万部売れていたようです。)
この本の発刊に当たり私は、それまでの大東流研究で会得したポイントは伏せ、いくつかの構想を予め仕掛けることとした。それは、次の二つの未解決の問題があったからだ。

大東流合気柔術の初級技について、これは植芝盛平が創始した合気道であるという宣伝が先行していること

大東流合気柔術の免許皆伝者は久琢磨ただ一人のハズなのに、現実には堀川幸道・佐川幸義も免許皆伝を名乗っている、さらに、大東流の宗家・宗範・宗主等それぞれ名乗っているものがいること

『図解コーチ合気道』の出版に当って、これら問題の解明のため大東流の心法「蜘蛛之巣伝」により7か所ほど仕掛け(落とし穴)を設けた。(続)

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