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故植芝盛平先生の名演武映画(下)

なお、序に付言しますが、私ども朝日で最初に植芝先生に習いながら、後年(昭和11年春)から武田惣角先生に鞍替えして大東流合気柔術という名の合気道のルーツ源流を習って現在に至ったかについては、話がデリケートで長くなりますから省きます。さらにお知りになりたい方は別紙「大阪本社に伝わる古武道」という名文(別稿で紹介します。)、これは5年前朝日カルチャーセンター合気道講座初日オリエンテーションで大阪本社から駆けつけて模範演武をしてくださった整理部次長天津裕が昨年朝日の社報に載せたものです。
上映の模様
いよいよ本フィルム上映開始、朝日新聞社撮影、監督久琢磨との字幕、植芝先生の横に座った久琢磨が説明朗読。ここでは久琢磨監督から適切な説明があり細かく早い動きの中にも逆極め技が効いていることを紹介した。座り技から半座半立、二人捕から三~五人の多数捕の名演武に鑑賞者はみな感嘆、20分余りで終わったときは思わずホッと感嘆の息をもらす。ある有志から「誠にすまんが、今一回繰返し映写してほしい」との声、もう一度上映することになった。準備の間、観客からいろいろ質問があり久これに答える。植芝先生の師、大本教出口王仁三郎宗主の真の日本武道論などの概要を説明した。やがて第2回目の映写を行う、一同さらに感嘆を深くす。終了したときは期せずして万雷の拍手喝采、かくしてこの珍しい映写会は大成功祝いに移った。終了後一同乾杯して成功を祝った。この日朝日カルチャーセンター合気道講座の各位は鶴山師範をはじめ欠席が多く参加者は少数であった。がもし希望があれば今一度映写会を催してもよいと思っている。
なお、当日ご来会の各位へは、昭和11年1月10日の鏡開式において、植芝先生の前で大鏡餅に包丁を入れている紋服の久琢磨の写真複写を一枚ずつ寄贈した。

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