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合気柔術のはじまり11

大東流の伝承系路について、公平的な立場において、電電合気杖道会の中核メンバーが調査した結果を報告申し上げると・・・

「新羅三郎が創始した」とする大東流一門が伝える系譜は、史実的裏付けから検討すれば矛盾が多すぎる。大東流のどの技が新羅三郎が伝えたもので、その後は、どの年代にどのように組み立てられてきたのか? について、それぞれ時代考証にしたがって検討すればするほど、世の歴史学者たちのもの笑いになるだけである。

伝書に記載されている武田家の系譜は、確かに源氏武士の発生の物語であるが、この資料は幕末ごろにおける「日本兵法」の伝承系路として常識とされた物語である。大東流として伝承された技法は垂加神道(すいか=しでます・しんとう)の哲学感に統一された理路整然としたもので、古流諸流派の奥義が巧みに統合されている。実技的には幕末期における各流各派の奥義が総結集されたものであることが特長で、この集約されている技のどれを取り上げてみても、中古以前の技は見当たらない。要するに実技的には新羅三郎とは関係ない、ということである。

このため、従来からも史実に詳しい武道家は、大東流は武田惣角が創始したものではなかろうか?という考えを持たざるを得なかったのも当然と思われる。

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