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大東流の三大技法(続)31

さて、大東流三大技法には、それぞれ教外別伝が附随しています。抜刀術・棒術・合気二刀剣・合気杖・合気拳法・懐剣術・鉄扇術・合気活殺法(合気整体術)などです。これらは、単独の武術として成り立つよう構成されていますから、それだけで一流一派を作れるのです。これは、大東流がどのような武術にも対応できるよう、そしてその武術の秘伝として位置づけられるよう配慮されたものだからです。

公武合体に備え、剣術を除くすべての武術を統合する新しい武法とのコンセプトがあったからでしょう。大東流三大技法の技法実態を知らないで、鶴山先生の主張を批判する人たちが理解できないところです。西郷頼母ら大東流構成者の意図とはズレた、かも知れませんが、大東流からは、その一部を使った多くの武術流派が生まれています。大東流色を色濃く残す流派から、それを消し去って大東流とは関係ないとする流派までいろいろです。

大東流の技法は、一流一派としてのきちんとした構成を持っていますが、別の視点から見れば、平板な技法の羅列群ともいえるのです。つまり、どこから習っても難しい代わりに、どこから習っても同じような難しさがあり、体系的に積み上げる稽古とは別に、つまみ食い的な稽古が可能なのです。そうすると、センスのある人は、ごく短時間でマスターできるのです。じっくり練り上げる稽古もあれば、速習法もあるということです。

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