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大東流柔術講習会5

鶴山先生の説明の続き・・・

日本の武道に対する認識について
日本の武道はあらゆる要素を包含している。それは自分自身を守るための宗教であり、哲学でもある。特に大東流は会津藩が藩学の総智を傾けて完成を見たものである。神学・数学・兵書、兵法、槍術、剣術、各種体術の専門家たちが集められ、西郷頼母の指揮下「公武合体」の旗印のもと、幕末期に融合統一されたものである。この内容には、日本武道を代表する武士道心得集たる躾教育と東洋医学を全面的に応用した教育武道でもある。その完成された形態は、日本文化の象徴であり美学でもある。また、その思想は日本の風土に結びついた天地に逆らわぬ自然観、自主独立の気概と胆力、困難に負けぬ強固な精神力を技法鍛錬により養う、という武士道の人生観がみられる。これらは欧米系の格闘技や一般スポーツとは全く次元の異なるものである。
 
大東流柔術は、伝統古武術としての系統からみると最もオーソドックスものであり、かつ、技の効力は極めて強烈である。君たちがやってきた普通の合気道と違って、今まで体験したことのない痛みがありますな、まあ合気道技法の源流は合気柔術ですが、そのまた源流たる柔術ですからね。古式の闘技を知る意味でもこの機会に体得した方がよいでしょう。
柔術の多くの技は鎧組打ちが原形である。したがって練習者は、自らが兜をかぶり、ヨロイを身につけたところを想像して臨めば、この柔術の持つ合理性が理解されやすいだろう。柔術の技法を合気柔術と称してそれらしくやっているところもあるが、柔術には本来流しはないので、極め固めの連続が重畳的に繰り出されるところが厳しいのである。

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