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極意秘伝のはなし27

7折抜
心気権(はか)るをもっぱら折(くじ)くという。技・為形(しかた=力みをなくすこと)・所作いずれも折く心が肝要である。組打ちは大概折き、為形と放れることはない。およそ物を折くに剛柔・強弱・浮中沈・横縦、これらは皆心気の折くところ専一である。また、折(せつ)ともいう。これは物を引き、すぐに動じ、驚(きょう)じそびく(無理にひっぱる)、気を転じ移しかえる心である。我収める心にも折くということがなければ、無理になるのである。体極の鞠(きく)の身(まりのように、身を丸くかがめ)に極を用いるところがこれである。抜きだます意は少しもない。己を権り敵を動かし又は静めて、動静の間に勝負を決することで、心で体を動かし気を転じ、心から移って敵に動静顛倒(転倒)させることを折という。心で容(かたち)を動かせば、天性に随い、容で心を動かせば、天性に背き、理が暗くなり勝ちはない。例えば、強く落ち付いた物、あるいは植木など、無理に抜くものではない。その抜く理を考え、心をもって抜くところを折くという。この心が第一である。また、見=目、身=所作、形がないもの=心、この三つの替りを工夫すべきである。口伝

8懸他懸我
これは折くという心合点すれば自然にわかることだが、右を折くを教えるときに、互いに相掛かって技にしたがって理を示す。一事条列(列挙する)の名を表わすものである。

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