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応急処置法18

活法
昔から古流柔術では「活法」を諸流儀の秘伝として、その伝授には厳秘な行事をからませ、高度な技として、免許以上の者に伝承させてきたものである。
いかに「活法」といっても、病気、刃傷(にんじょう)等で死んだ者を蘇生させることは不可能である。「活法」により蘇生できる条件は、呼吸作用が静止していても、心臓がわずかでも動いている間は、絶対に有効なものとされている。といって、この状態は、一般的な判断の上では、気絶(失神)した状態のものとは別個なものと考えてよい。古伝にある「仮死の鑑別四ヵ条」があるので、ここに掲げておく(口伝は除く)。

 手足の指関節が曲がっている場合は蘇生間違いなし。
 手足の爪に圧迫を加えてみて、爪の下皮に色の変化が見られる場合は
       蘇生間違いなし。
 死者が歯をくいしばっているときも蘇生間違いなし。
 死者の瞳孔に、物が写るときは蘇生する。

「活法」の手法は諸流儀により、その方法を異にする場合もあるが、大体次の種類が施術として通用している。
 序活呼吸法
 背活誘導法
 襟活発心法
 肺活吸気法
 総活気海法
この他、特殊なものとしては、「睾活(こうかつ)」「水活」等があり、これらを含めると18種類ほどになる。しかし原理的には、ほぼ同じ考えに立つものである。ただし、日本伝合気柔術の活法には「気合活」と「合気の活」が含まれている。
合気武道の「多人数捕り」の短期上達法を本書では説いてきた。二次元体の組形を充分研究しておれば、活法を使用する事態は発生しない。しかし、実生活の中で、交通事故を含めた日常生活に法形に合った稽古のときより危険が高いことが考えられる。「やわら」の修行者が、活法の一つや二つ知っておけば、それなりのプラスとなる面もあろう。(続)

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