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大東流の口伝2

ここでは、飛衛からの引用に若干の補足を加えるに止めます。踏み込んでしまうと、新陰流兵法の口伝の話になってしまいますから・・・

第一段 見(けん=目付) 二星(両拳)、色(相手の動き)、
             十字手裏剣(十文字勝)、有無(敵の動き)、
             空(動きの初めを見る)、
             捧心(心の動き初めを見る)
第二段 機(き=かけひき) 色につき、色にしたがう(仕掛けの要領)、
              起醒(きせい=起こるところのこと)、
              二目遣(仕掛けの効果を見る)、
              水月(レーダーの如く追従する)、
              表裏(作戦)、機前(心を未発に見る)、
              懸待(動と静の使い分け)
第三段 躰(たい=体と心の構え方) 五ヶ(五箇の習い)、
                  思無邪(低い構え)、
                  神妙剣(極意の太刀)、
                  去病(こだわりを捨てる)、
                  西江水(吊り腰)
このように、十兵衛は、口伝を体系化し分かりやすく整理してみせたのでした。各口伝は表面上の意味だけでなく、深遠な思想背景を持つものもありますが、これらをつなげて見るだけでも、新陰流兵法のありようが見えてきます。口伝恐るべし、秘すべきものだったのです。

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