合気柔術の技法8
非力の養成
養神館では非力の養成1、その2として、この基本動作をやっている。この基本動作の表裏いずれも剣の操法に基づくもので、特に裏の場合は、体重の移動に重点を置いている。その目的は騎乗者の鍛錬にある。この技法は、柔術には出てこないし、柔術を習うクラスの者には必要がないのである。
江戸柳生系合気柔術専用の基本動作という特徴である。養神館では「呼吸力をつけるための基本の訓練法」「安定した姿勢を保つための稽古法」などといってやっているが、なぜ、この動作なのか? 理由の説明などはない。ともかく、これをやるというのである。
大東流の構成では、殿様や家老の息子クラスの者は、第一線には出ないから柔術は必要としない。ただし、指揮の折は、馬に乗らねばならないし、馬上で武器を操らなければならない。このための基礎鍛錬法なのである。騎馬武士は手綱を持たない。鎧の腰に緩くハサみ、腰のひねりで手綱捌きをやると同時に、体重の移動で馬の方向転換をやる。早く、遅くと自在に馬の方向転換をやるため絶対に必要だからである。この要領は、スキーの操作と同じである。スキーで降下するとき、その方向転換には体重の移動が必要である。また、ひざの屈伸も必要で、このひざ頭の使用には大東流技法の特色がある。
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