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大東流の口伝17

「相手がそのベクトルを認識することで成立しますから体のどこに通力しても、どのように通力してもよいのです。」と既述(連載16)しました。朝顔とは、「どのように通力」を集中的に、かつ、象徴的に教える口伝なのです。

つまり、指をガイドに3方向のベクトルを作りなさい、ということです。
朝顔では五指を使いますから、5方向のベクトルを発生させることができるのです。なお、「第3の力」とは、第2方向の力まで対応出来るということですから、第3以降の別方向の力には同様に対応できないのです。
換言すると、3方向以上の力を同時に認識させると、「相手の頭を混乱させる」ことができる、ということです。

朝顔における、力の源泉は手掌腱膜や手内在筋などです。
これらを用いて5方向に力を出すのですが、これは指導者に教わらないと出来ない技術なのです。なぜか・・・?

そもそも、ヒトは物(道具・猿だった頃は枝など)を固定化するために握ります。握って固めて安心する、開いて放して開放する、という本能的な手の制御法がすり込まれています。したがって、普通に握ってしまうと、数方向の力が手の中心(掌=たなごころ)に向かった一つの力に合成されてしまうからです。第3の力の術理からすれば、手を握りしめると相手は一つの力と認識するからです。単に開いてみても同じです。

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