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問題ある門人

武術の流儀には、目に見える形や伝書等がある一方、目に見えない口伝・考え方(思想)・物語があるハズです。これら全部を合わせて流儀全体と呼べば、個々の形や個別の口伝は全体に対する個別のものと言えます。
この中で自分の立ち位置を誤ると問題ある門人になりかねません。この視点から整理すると「問題ある門人」は、大きく4パターンになります。
1 流儀全体を視野に入れているが、
  目に見えない部分を重視しすぎた狂信的な門人
2 流儀全体を視野に入れているが、
  目に見えることだけを意識した打算的な門人
3 流儀の細部・個別の形を重視しながらも、
  目に見えない部分に意識がいってしまった感情的な門人
4 流儀の細部・個別の形を重視しながら、
  目に見えることだけを考えている独善的な門人
狂信的と独善的、打算的と感情的、誰しも自分の立ち位置が安定しているわけではありませんから、4つのパターンに近づいたり離れたり、うろうろしているのが実態でしょう。私は○○的な門人になりたいのだ、という確信犯的な方はいいとして、4つの中心に位置するバランスを保つことは、なかなか難しいことですね。さて、現代は目に見えることを重視する傾向が強く、電子機器の発達や説明責任という考え方の普及とともにエビデンス(証拠、根拠、証明、検証結果)が強調されますが、筆者は目に見えないものの価値を軽視すべきではないと思っています。

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