合気柔術の技法9
重心の移動
腰の高さが同じでなくてはならない。そのためには、後ろ足を伸したままではいけない。途中で腰が浮き上がってしまうからである。腰の回転の前に後ろ足のひざを曲げておかなくては、スムースに腰が一定の高さで回転できない。養神館では、なぜそうするのか教えていない。ともかくそうするのが基本動作だ、と言われた。
これは騎乗者の鍛錬であって、合戦の時、馬も怖いから、信頼している主人が密着していることで、馬も慌てずに行動できる。途中で急に軽くなったりすると、馬は驚いて両足を上げる、そうすると落馬ということになりかねない。手綱を持っていないから、馬が不安定な動きをすると騎乗者は必ず落馬する。重心の移動は馬の背に密着したままで行わなければならない。
この練習が基本動作の中に入っているのである。左右に移動したときは、腰は前に向け斜めにしてはいけない。馬に乗るとき斜め半身ではいけないからである。左右への体重移動の今一つの目的は、えびらを張るためである。古流剣法の極め、正しい力の通し方を稽古するのである。柳生新陰流の特徴でもあり、恐らく小野派一刀流も同じであったものと思われるが、後日研究の要がある。
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