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天地投の原型

天地投の天とは何であるのか?   鶴山先生は天地投の原型は新陰流兵法の刀棒であると解説しています。刀棒とは、燕飛や二十七箇條斬合に出てきますが、刀身を左手で挟んで相手の両脇の下に入る捌き、槍術でいう四平勢の構えで突き込む捌きなどがあります。

ところで、天地投の功者は必ず両手持であって、正面打ではありません。この技によって刀棒の基礎鍛錬とするのです。すなわち、正面に入る捌き、左右に押さえる捌きがこれにあたります。太刀による刀棒捌きと、対槍(稽古では太刀で代用)に対する捌きを学ぶ形なのです。
これは、植芝盛平が大正11(1922)年に習った柳生流柔術(合気柔術)の技法で、大東流柔術の技ではありません。鶴山先生は、「図解コーチ合気道には、天地投と回転投が大東流技法と書いていないので、植芝吉祥丸は10年かけてこの2本は親父(盛平)が考えた技だと主張するに至った。この2本は日本柔術系の他流には全く出てこないことから、惣角の合気柔術とは異なる、盛平オリジナルであるとしたのである。」とメモしてあります。

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