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大東流の三大技法(続)1

大東流には三大技法がある、これは久琢磨が武田惣角から口伝され、さらに鶴山先生に引き継がれた秘事でした。したがって、教授代理クラスであっても全く知らない、まして一般の大東流修行者は知り得ない情報でした。惣角以後、大東流指導者は輩出されましたが、それぞれ自分が習った範囲でそれぞれの大東流を語っています。また、多くの武道研究者もいろいろな視点から大東流を分析し、それぞれの主張をしています。鶴山先生が発表した、あるいはメモに残された大東流情報は、これらの方たちにとっては、受け入れ難く決して認めてはならない事項でしょう。鶴山先生没後35年経った現在も先生の主張は極々少数派で、なし崩しに世の中から消えてしまうことを危惧しています。技法の動態保存とコンセプト等の継承をしなければならないと思うところです。
さて、このような状況を招いた原因はいろいろあります。
 大東流が持つ秘密主義
 大東流の膨大な技法体系
 武田惣角の指導法
が主なものでしょう。惣角は受講者を見て、技を変える、同じ技は繰返さないという教授法でしたから、その全容を見せることはなかったのです。しかも、大東流の技法(典型的なものは柔術)は、ピラミッド型の技法構成、すなわち易しい技から難しい技へと進む、とはなっていませんから、どこから学んでも難しい代わりにどこから学んでもその部分のマスターは短期間で出来るのです。

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