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入身投 序破急のこと

入身投に関する鶴山先生のメモです。
なお、大東流合気柔術における序破急とは、次のとおりです。
:安定した姿勢づくりを目的として、技の実行を一動作ごとに区切って行う稽古法。柔術の要素が濃い動作。
:体捌(入身・転身)で攻撃を避けると同時に当身で崩して施技する連続動作。
:技の動作を簡略(省略)した技法、簡略化した部分は、当身と体捌で補う動作。

入身投にも序破急の形がある。序の形に入る前の基礎動作として非力の養成がある。
序の形の表は、右腕を両手持され、非力の養成の表の形から、右腕を反時計回りに回しながら、左手で相手の襟(えり)を掴み直線に右足を引きながら右胸に襟を引きつけるのである。養神館流の基本動作と同じである。
この形は相手の襟を掴むのが特色である。皇武術の入身投にこの形が残っている。対柔道技として効果的だったということが判る。大正11年大本教幹部に対警察用として初めて指導されたものであった。
序の形の裏は、表の形と同様(非力の養成1)に前進の後、体を時計回りに回転させ1か条の形になり相手を押し少しのけぞらせ、右腕を下から反時計回りに回しながら左首にかけ、右足を軸に左足を大きく後方に回しながら引込み突き倒す。
ここでいう表裏とは、表は表演形、裏は御信用之手のことである。
さて、非力(ひりょく)の養成だが、富木謙治氏が「臂力の養成」と字をあて、吉祥丸も使っている。「臂」とは、中国語では肩から手首までの腕のことをさし、漢和辞典では、ひじと腕としている。なお、中国拳法に通臂拳(通臂拳=サル(類人猿)の動作を模倣した拳法)がある。
合気なら「非力」であるべきだし、柔術なら「臂力」という解釈もあるだろう。

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